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故人の写真をオンライン共有する方法|親族が見られる形に

故人の写真や動画を親族と共有するとき、つまずきの原因はほとんど同じところにあります。手段の容量や画質ではなく、受け取る側が実際に開けるかどうかです。アプリのインストールやログインが必要な方法を選ぶと、高齢のご親族はそこで止まります。

この記事では、共有手段を「相手が見られるか」で比べたうえで、共有がいつか消えるという問題、親族が持っている写真を集める方法、そして一緒に写っている方への配慮までをお伝えします。

50代女性
50代女性
父の写真をまとめて、親戚に見てもらおうとクラウドで共有しました。でも「開けなかった」という返事ばかりで、結局ほとんど誰も見ていないようなのです。
案内役
案内役
よくあることです。送った側は共有できたつもりでも、受け取る側は最初の画面で止まっているのですね。手段そのものより、相手がどこで止まるかから考えると、選び方が変わってきますよ。
Contents
  1. 共有でつまずくのは「渡す」と考えているからです
  2. 共有手段5つ|親族が本当に見られるかで選ぶ
  3. 高齢の親族が脱落する3つの壁
  4. 共有したものは、いつか消えます
  5. 親族が持っている写真を集めるには
  6. 公開範囲の決め方|一緒に写っている人への配慮
  7. 見せ方の設計|枚数を絞り、一言を添える
  8. よくある質問
  9. まとめ|相手が開ける形を、先に決める
  10. 参考情報・外部リンク
  11. この記事に関連する記事

共有でつまずくのは「渡す」と考えているからです

共有は、データを渡すことではありません。相手に見てもらうことです。この前提がずれていると、どれだけ丁寧に整理しても届きません。

渡した時点では、まだ何も起きていません

クラウドに上げてリンクを送る。この時点で作業は終わったように感じます。けれど相手の側では、まだ一枚も見られていません。

「送った」と「見てもらえた」の間には、想像よりずっと大きな溝があります。とくに相手が70代・80代のご親族であれば、その溝は広がります。

だから、基準は容量でも画質でもありません

手段を比べるとき、つい保存容量や画質に目が向きます。ところが実際に効いてくるのは別の条件です。

  • 相手はアプリを入れずに見られるか
  • ログインやアカウント作成なしで開けるか
  • あとから写真を足せるか
  • その共有は何年もつのか

この4つで選び直すと、候補はかなり絞られます。

木の机に置かれたスマートフォンとノートパソコンのイメージ写真
Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

共有手段5つ|親族が本当に見られるかで選ぶ

主な手段を、受け取る側の負担で並べました。どれが優れているかではなく、誰に見てもらうかで答えが変わります。

手段 受け取る側の負担 向いている相手 弱いところ
メッセージアプリのアルバム すでに使っていれば軽い 同居・近い親族 そのアプリを使っていない方には届きません
クラウドの共有リンク ログインを求められることがあります スマホに慣れた世代 発行者のアカウントに紐づきます
USBメモリ・外付けディスク パソコンが要ります 確実に手渡せる相手 配るたびに手間。故障すると失われます
フォトブック・プリント いちばん軽い。機器が不要です 高齢のご親族 あとから足せません。部数ぶん費用がかかります
追悼サイト・メモリアルサイト URLを開くだけの形にできます 世代がばらばらな親族全体 作る手間と、続けるための費用がかかります

現実的には、組み合わせになります。ふだん連絡を取る相手にはメッセージアプリ、機器を使わないご親族にはフォトブック、全体で共有する台はサイト。ひとつに絞ろうとすると、かならず誰かが漏れます。

残す媒体そのものの選び方は思い出を形に残す方法6つ|写真・動画・声を長く保存するに、生前の写真整理は終活で写真を整理するには?思い出の残し方と注意点にまとめています。

高齢の親族が脱落する3つの壁

見てもらえない原因は、だいたい3つのどれかです。メモリーサイトの運営でご遺族のお手伝いをする中で、繰り返し同じところで止まるのを見てきました。

▼ 見てもらえないのは、この3つで止まるからです

1つでも当てはまると、そこで閲覧が止まります

壁① アプリを入れてもらう必要がある
「アプリをダウンロードしてください」で、多くの方が止まります
壁② アカウント作成やログインが要る
招待メールの承認、パスワードの設定。ここで連絡が途絶えます
壁③ 文字と操作対象が小さい
拡大操作が必要な画面は、それだけで負担になります
越えるための条件
送られたURLを開くだけで、そのまま見られること。まずこれを満たす手段から検討してください

URLを開くだけ、が分かれ目になります

いちばん効くのは、受け取った側が何も準備せずに見られることです。アプリ不要・ログイン不要の形にした途端、これまで反応のなかったご親族から「見たよ」と連絡が来る。何度も経験しています。

年配のご親族に送るときは、リンクだけを送らず「このまま開けます。何も入れなくて大丈夫です」と一行添えてください。これだけで開いてもらえる率が変わります。

70代男性
70代男性
正直、スマホで新しいアプリを入れるのは気が重くてね。孫から送られてきたものも、開かずじまいになっているものがあります。
案内役
案内役
その感覚は、多くの方に共通しています。送る側が「開くだけ」の形を選べば解決する話ですから、どうぞ気にならさらないでください。合わない手段を選んだ側の問題なのです。

相談する70代男性のイラスト

こんな方に写真が家ごとに散らばる親族が離れて暮らしている思い出を形に残したい家族で思い出を共有したい

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共有したものは、いつか消えます

いま見られていることと、10年後も見られることは別の話です。共有には終わりがあります。

共有リンクは、発行した人のアカウントに紐づきます

クラウドの共有リンクは、発行した方のアカウントがあって初めて成り立ちます。そのアカウントが止まれば、リンクの先も見られなくなります。

容量の上限を超えたとき、サービスが終わるとき、規約が変わるとき。いずれも共有は途切れます。具体的な条件はサービスごとに違い、変更もされますので、お使いの提供元でご確認ください。

手段 見られなくなるきっかけ 持ちやすさ
メッセージアプリのアルバム 退会、トークの削除、機種変更時の引き継ぎ漏れ 短い
クラウドの共有リンク 発行者のアカウント停止、容量超過、リンクの無効化 中くらい
USBメモリ・外付けディスク 故障、紛失、対応する機器がなくなる 中くらい
追悼サイト・メモリアルサイト 契約の終了。管理者を複数にしておくと下がります 長め
フォトブック・プリント 物として失われないかぎり見られます いちばん長い

共有した本人が亡くなったとき

ここがいちばん見落とされます。写真をまとめて共有したご遺族も、いつかは亡くなります。そのとき、ご親族はもう一度、同じ思い出を失うことになります。

防ぐ手立ては2つです。ひとつは、大事なものだけでも機器が要らない形にしておくこと。プリントやフォトブックは、アカウントに依存しません。

もうひとつは、管理する人を複数にしておくこと。ご家族のどなたかと一緒に管理できる形にしておけば、ひとりに依存しなくなります。

机の上で外付けのポータブルSSDをつなぐイメージ写真
Photo by Samsung Memory on Unsplash

なお、故人のアカウント自体をどう扱うかは、また別の手続きになります。生前の設定方法と遺族側の進め方はスマホ・SNSアカウントの死後の手続き|デジタル終活の基本にまとめました。スマホから写真を取り出せずに困っている場合はデジタル遺品整理サービスの評判・口コミ|料金と選び方をご覧ください。

親族が持っている写真を集めるには

共有は一方向とはかぎりません。ご遺族が知らない故人の写真は、たいていご親族の手元にあります。

知らなかった一面は、他の人が持っています

職場の同僚が撮った写真、旅行に行った友人のアルバム、遠方のご親戚のスマホ。ご家族が見たことのない表情は、家の外にあることが多いのです。

そして、ご遺族が繰り返し見返されるのは、まさにそういう一枚です。追悼のメッセージでも同じ傾向があります。詳しくは追悼文の書き方と例文|場面別と宗教別の言い換えでお伝えしています。

声をかけるタイミングがあります

ばらばらにお願いしても、なかなか集まりません。四十九日や一周忌など、ご親族が集まる場で一度に声をかけると集まりやすくなります。その場で送り先を伝えられるからです。

お願いするときは、次のように具体的にすると動いてもらえます。

  • 枚数を決める:「1枚か2枚で構いません」。全部探してもらうと負担になります
  • 送り先を1つにする:連絡手段を分けると集約できなくなります
  • 期限をゆるく置く:「来月くらいまでに」。期限がないと後回しになります
  • 撮った状況を一言添えてもらう:いつ・どこで・誰と。これがあとで効いてきます

法要に出席できないご親族にも、この形なら参加していただけます。遠方の方の関わり方は一周忌・三回忌に遠方で行けないときの供養方法にまとめています。

円形の窓から庭の緑が見える畳の和室のイメージ写真
Photo by Sunao Noguchi on Unsplash

公開範囲の決め方|一緒に写っている人への配慮

公開範囲は、故人のためではなく、一緒に写っている方のために決めます。ここを分けて考えると、判断が楽になります。

故人の情報と、生きている方の情報は扱いが違います

個人情報保護委員会は、公式サイトのよくある質問で「個人情報保護法は、『個人情報』を生存する個人に関する情報に限っており、死者に関する情報については保護の対象とはなりません」と説明しています。

ただし続きがあります。同じ説明は、死者に関する情報が同時に生存する遺族などに関する情報である場合には、その遺族などに関する「個人情報」となりますとしています。

法律が直接の対象としているのは事業者であり、ご家庭内での共有とは前提が違います。それでも、考え方の物差しとしては使えます。集合写真に写っているのは、生きている方々です。

▼ 公開範囲は「誰が写っているか」で決めます

故人だけが写っている

ご家族の判断で範囲を決められます。それでも、URLを知っている人だけが見られる形にしておくと安心です。

ほかの方も写っている(集合写真・法事・同級生)

写っている方は生きています。検索で誰でも見つかる形は避け、限定した範囲での共有にとどめてください。

撮影者がご家族以外(写真館・友人)

写真の著作権は原則として撮影者にあります。公開する前に、撮ってくださった方に一声かけてください。

50代男性
50代男性
法事のときの集合写真を載せたいのですが、親戚以外の方も写っています。これは載せないほうがいいのでしょうか。
案内役
案内役
載せてはいけない、ということではありません。誰でも見られる場所に置くのを避けて、ご親族だけが開ける範囲にとどめる。それだけで配慮としては十分です。気になる方がいれば、一声かけておくとより安心ですね。

写真を撮った人にも権利があります

もうひとつ見落とされやすいのが著作権です。公益社団法人 日本写真家協会は写真著作権と肖像権のページで、「原則的には撮影者が著作者です」と説明しています。

同じページによれば、著作権は譲渡や相続ができ、保護期間は作者の死後70年間存続します。つまり故人が撮った写真の権利はご遺族に引き継がれますが、写真館や友人が撮った写真は、撮った方のものです。

遺影や記念写真をそのまま公開する前に、撮ってくださった方に一声かけてください。判断に迷う使い方であれば、弁護士などの専門家にご相談ください。

見せ方の設計|枚数を絞り、一言を添える

枚数を増やすほど、見てもらえなくなります。ここも運営の中で何度も確かめたことです。

500枚は見られません。20枚から30枚です

ご遺族が力を入れるほど、共有する写真は増えます。ところが受け取る側は、数百枚を前にすると最初の数枚で閉じてしまいます。

まず20枚から30枚に絞ってください。年代順に並べ、節目の写真を選ぶ。全部を見せる必要はありません。反応を見て、あとから足していけば十分です。

添えるのは「いつ・どこで・誰と」だけ

一枚ごとに長い説明をつける必要はありません。むしろ短いほうが読まれます。

「昭和60年 家族旅行 白浜」。これだけで十分です。年代と場所が入っていると、見た方がそれぞれの記憶をたどれます。説明を尽くすより、思い出す余地を残すほうが伝わります。

▼ 20枚から30枚に絞るときの目安

迷ったら、この順に選んでいってください

① 節目の一枚
結婚、家の新築、還暦。ご親族の誰が見ても場面が分かります
② 人と一緒に写っているもの
風景だけの写真より、誰かと写っているほうが話が生まれます
③ ふだんの表情
かしこまった一枚より、笑っている一枚のほうが残ります
④ 年代をばらけさせる
若いころから晩年まで。同じ時期に偏らせないでください
外していいもの
似た構図の連写、ピントの甘いもの、ご本人が気にしておられた写真

動画がある場合は、長いものをそのまま置かないでください。1分前後に切ったものが、いちばん最後まで見てもらえます。声だけが入った録音も、短ければ繰り返し聞いていただけます。

相談する70代男性のイラスト

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よくある質問

親族がスマホを使っていません。どう共有すればよいですか。

フォトブックやプリントが確実です。機器もインターネットも要りません。あとから写真を足せない点だけ承知しておいてください。ほかのご親族にはオンラインで共有し、その方にだけ紙で渡す形が現実的です。

共有リンクを送りましたが、誰も開いてくれません。

アプリのインストールやログインが必要な形になっていないかご確認ください。開くだけで見られる形に変えたうえで、「何も入れずにそのまま見られます」と一行添えると反応が変わります。

故人の写真をSNSに投稿してもよいのでしょうか。

ご家族の判断になりますが、ほかの方が写っている場合は慎重に扱ってください。写っている方は生存しているため、その方に関する情報にあたります。誰でも見られる場所ではなく、限定した範囲での共有をおすすめします。

写真館で撮った遺影を共有しても問題ありませんか。

写真の著作権は原則として撮影者にあります。ご家庭内で見る範囲と、広く公開する行為は前提が異なります。公開する前に、撮影された写真館に確認しておくと安心です。

どのくらいの枚数を共有するのがよいですか。

まずは20枚から30枚です。数百枚を一度に渡すと、最初の数枚で閉じられてしまいます。年代順に節目の写真を選び、反応を見ながら足していく形をおすすめします。

共有したものを何年も残すにはどうすればよいですか。

ひとつの手段に頼らないことです。オンラインでの共有に加え、大事なものはプリントやフォトブックにしておくと、アカウントの状況に左右されません。管理する方をご家族で複数にしておくことも有効です。

まとめ|相手が開ける形を、先に決める

共有がうまくいかないのは、整理の仕方が悪いからではありません。受け取る側が開けない手段を選んでいるからです。

まず、URLを開くだけで見られるか。次に、その共有は何年もつか。この2つを先に決めてから、写真を選んでください。順番が逆になると、作業が無駄になります。

そして、枚数は絞る。一言だけ添える。集めるときは、法要の場で声をかける。手を尽くすより、相手の側に立つほうが届きます。

参考情報・外部リンク

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桝谷研士(合同会社Zekk)

この記事を書いた人

桝谷研士(ますたに けんと)

合同会社Zekkで、お墓清掃サブスク「まもりて」とオンライン追悼「メモリーサイト」の運営に携わる。
西宮・尼崎の墓地に足を運び、遠方や多忙でお墓に行けないご家族の声を日々うかがう中で、
「供養のかたちは一つではない」と実感。実際の清掃作業やご遺族とのやり取りで得た一次情報をもとに、
終活・供養・お墓まわりの「本当に役立つ情報」を、できるだけやさしい言葉でお届けしています。

運営:合同会社Zekk(お墓清掃サービス「まもりて」・オンライン追悼「メモリーサイト」運営)

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