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デジタル遺品とは?遺族が困る場面と対処の手順

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デジタル遺品とは、亡くなった方がスマホやパソコン、ネット上に残したデータやアカウントのことです。写真や連絡先、SNSやメールのアカウント、ネット銀行や電子マネー、サブスクの契約などが含まれます。ご家族が亡くなったあと、これらは本人にしか開けない状態で残されます。

ご遺族がまず直面するのが、「スマホが開けない」という問題です。写真を取り出したいのに、ロック画面の先へ進めない。心当たりのない引き落としが続いている。どこから手をつければいいのか分からない。そんな状態で立ち止まってしまう方は少なくありません。

この記事は、ご家族を亡くされた方に向けたものです。デジタル遺品で実際に起きるトラブルと、その場でできる対処の手順を整理します。オンライン追悼サービス「メモリーサイト」を運営する合同会社Zekkが、各社の公式情報をもとに整理しました。

デジタル遺品とは|スマホの中に残るもの

まず、言葉の意味を整理します。デジタル遺品とは、故人がデジタル機器やインターネット上に残した財産・データ・アカウントの総称です。形のある「物」ではないため見落とされがちですが、いまやほとんどの方のスマホに存在します。大きく4つの種類に分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。

種類 具体例 家族が困りやすい点
端末内のデータ スマホ・PCの写真、動画、連絡先 ロックが解けず中身を取り出せない
アカウント類 SNS・メール・各種会員サービス 放置されて乗っ取り・不正利用の的に
お金に関わる資産 ネット銀行・電子マネー・暗号資産 存在を知られず宙に浮いてしまう
課金サービス 動画・音楽などのサブスク 解約されず料金が引き落とされ続ける

なぜ今、デジタル遺品が問題になっているのか

「うちの親は機械が苦手だから関係ない」と思う方もいます。けれど、いまや高齢の世代もスマートフォンを当たり前に使う時代です。

総務省の令和6年通信利用動向調査によると、スマートフォンを使う人の割合は20〜59歳の各年齢階層で約9割、60〜69歳で約8割です。年金の受け取りやキャッシュレス決済、家族との連絡まで、生活の多くの場面がスマホに集まっています。

つまり、特別にデジタルへ詳しい人だけの問題ではありません。スマホを一台でも持っていれば、誰もがデジタル遺品を残す時代になりました。だからこそ、元気なうちに少し備えておくだけで、ご家族の負担は大きく変わります。

60代女性60代女性
母のスマホ、ロックが解けなくて。中の写真だけでも見たいんです。
案内役案内役
そのお気持ちはよくうかがいます。生前に設定がされていれば、正規の手続きで申請できますよ。
ロックがかかったスマートフォンのイメージ写真
Photo by ᛟᛞᚨᛚᚹ on Unsplash

遺族が実際に直面する5つのトラブル

ご家族が亡くなったあと、デジタル遺品をめぐって起きる困りごとは、ある程度決まっています。どれも「本人に聞けばすぐ分かったのに」というものばかりです。代表的な5つを見ていきましょう。

  • 写真や思い出が取り出せない:スマホのロックが解けず、家族写真や動画にアクセスできないまま消えてしまう
  • ネット銀行・資産が宙に浮く:口座やネット証券の存在を家族が知らず、相続の手続きから漏れてしまう
  • サブスクの料金が払い続けられる:解約されないまま、毎月の課金がクレジットカードから引き落とされ続ける
  • アカウントの乗っ取り・不正利用:放置されたSNSやメールが第三者に悪用される恐れがある
  • 見られたくない情報が残る:本人が消しておきたかったデータが、そのまま家族の目に触れてしまう

とくに切実なのが、いちばん上の「思い出が取り出せない」という後悔です。お金に関わる問題は手続きで解決できますが、取り出せなかった写真や動画は戻ってきません。端末が開けるうちに、思い出のデータを別の場所へ移しておくことが大切です。

50代女性50代女性
そういえば、母のカードから毎月同じ金額が引き落とされています。
案内役案内役
サブスクの可能性があります。カード会社にご連絡いただくと、カード自体を止められますよ。

お金に関わる資産は、相続や税が絡む場合があります。ネット銀行や暗号資産の扱いで判断に迷うときは、一般的な情報だけで決めず、弁護士や税理士など専門家に相談してください。ここでは、家族が困らないための「備え」に話を絞ってお伝えします。

故人のスマホが開けないときにできること

最初の壁はロック解除です。パスコードが分からない端末を、ご家族が確実に開ける方法はありません。ただし、故人が生前に設定していれば、正規の引き継ぎ制度を使える場合があります。

iPhoneには「故人アカウント管理連絡先」という仕組みがあります。故人がiOS 15.2以降で連絡先を指定していれば、指定された人が申請できます。

申請にはアクセスキーと、死亡の記載がある戸籍謄本が必要です。アクセスできるのは写真・メッセージ・メモ・ファイル・端末のバックアップなどです。

一方で、故人のアカウントで購入した映画・音楽・ブックやサブスクは引き継げません。iCloudキーチェーン内のパスワードや支払い情報も対象外です(Apple公式サポートより)。

Googleアカウントには「アカウント無効化管理ツール」があります。故人が指定した期間アカウントが使われないと、登録した最大10人の連絡先に通知が届きます。指定したデータが共有される仕組みで、こちらも生前の設定が前提です。

設定がなかった場合は、デジタル遺品を扱う専門業者に相談する方法があります。ただし業者に依頼しても、端末や状態によっては開けないことがあります。キャリアショップではロックを解除できません。

サブスク・ネット銀行・証券口座はどう調べるか

お金に関わるデジタル遺品は、放置すると損失につながります。端末が開けなくても、手がかりから追える場合があります。

まず確認したいのがクレジットカードの利用明細と、通帳の引き落とし履歴です。毎月同じ金額が同じ名義で落ちていれば、サブスクの可能性が高いと考えられます。カード会社に連絡して契約者の死亡を伝えると、カードを止めることができます。

ただし、カードを止めても事業者との契約そのものは残る場合があります。事業者名が分かるものは、個別に解約を申し入れてください。契約が残ったままだと、未払い分の請求が続くことがあります。

ネット銀行やネット証券は、郵便物とメールが手がかりになります。取引残高報告書などの書類が届いていないか、自宅の郵便物を確認してください。

口座の解約や名義変更の手続きは、金融機関ごとに必要書類が異なります。相続が絡む部分は判断が難しいため、迷ったときは税理士や司法書士など専門家にご相談ください。

解約に応じてもらえないなど、事業者とのやりとりで困ったときは国民生活センターに相談する方法もあります。お住まいの地域の消費生活センターにつないでもらえます。

SNSアカウントは削除できる?追悼アカウントという選択

SNSは、削除するか、追悼用に残すかを選べる場合があります。ご家族の気持ちが落ち着いてから決めても遅くありません。

Facebookには追悼アカウントという仕組みがあります。プロフィール名の横に「追悼」と表示され、そのアカウントには誰もログインできなくなります。故人を知る友人や家族が、必要な書類を添えてリクエストできます。

追悼アカウント管理人が指定されていれば、できることが増えます。友達リクエストの承認、プロフィール写真の変更、アカウントの削除などです。管理人がいない追悼プロフィールは変更できません(Facebookヘルプセンターより)。

急いで消してしまうと、故人あての投稿やメッセージも一緒に失われます。一度消したデータは元に戻せません。判断に迷ううちは、そのままにしておくのも一つの選び方です。

思い出をオンラインに残すイメージ(春の情景)
Photo by Kristin Wilson on Unsplash

取り出した思い出を、どこに残すか

デジタル遺品の対応は、消す・止める・解約するという「片づけ」に見えがちです。けれど、手続きが一段落したあとに残るのは、「思い出をどう残すか」という問いです。消す話と同じくらい、残す話もぜひ考えてみてください。

50代男性50代男性
消す・解約するばかり考えていました。残すという発想はなかったです。
案内役案内役
そこがいちばん前向きな部分です。写真やメッセージをオンラインに残しておけば、ご家族がいつでも故人を偲べますよ。

合同会社Zekkが運営するメモリーサイトは、故人の写真・動画・メッセージをオンラインにまとめられる追悼サービスです。ご遺族が後から作ることもできます。取り出せた写真をここに集めておけば、離れて暮らすご家族もそれぞれのスマホから同じページを開けます。

デジタル遺品の整理でいちばんもったいないのは、せっかく取り出せた写真がまた誰かのパソコンの中に埋もれてしまうことです。家族みんながアクセスできる場所に移しておく。それが、次の世代に思い出を渡す一つの方法だと考えています。

相談する70代男性のイラスト

メモリーサイト|思い出をオンラインに残す

こんな方にスマホの写真を残したい孫にも人柄を伝えたい命日に集まれない思い出を形に残したい

写真・動画・メッセージを残せる追悼サービスです。生前から少しずつ準備でき、家族それぞれがスマホから故人を偲べます。まずは利用方法と料金を無料で確認できます。

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遺族だけで手に負えないときは、専門業者という選択も

生前に準備しきれないまま、ご家族がデジタル遺品の整理に直面することもあります。パスワードが分からないスマホ、見覚えのない課金、放置されたアカウント。

どこから手をつければいいか分からず、途方に暮れるご遺族は少なくありません。そんなときは、デジタル遺品を含む遺品整理を専門に扱う業者に頼るのも一つの方法です。

専門業者は、ロックのかかった端末の調査やアカウントの解約・削除、データの取り出しなどを代行してくれます。費用は内容によって変わりますが、まずは無料の見積もりで費用感を確かめてから判断するのが現実的です。「自分たちだけでは無理そう」と感じたら、無理に抱え込まないでください。

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ご自身のデジタル遺品を、家族に残さないために

ここまでの手続きを経験された方は、同じことをご家族にさせたくないと感じられるかもしれません。ご自身のデジタル遺品は、生前であればご自身の手で整理できます。

ご自身の備えは、スマホのロック解除方法を家族に伝えるところから始められます。あわせて、iPhoneの故人アカウント管理連絡先やGoogleのアカウント無効化管理ツールを設定しておくと、ご家族の負担が大きく減ります。

進め方の全体像はデジタル終活とは?やり方とおすすめサービスにまとめました。供養のかたちから考えたい方は永代供養とは?費用・種類・選び方もあわせてお読みください。

家族でデジタル遺品について話し合う穏やかな情景のイメージ写真
Photo by Harman Tatla on Unsplash

まとめ|順番に手をつければ、一つずつ片づけられます

ご家族を亡くされた直後に、すべてを片づける必要はありません。優先順位をつけて、できるところから進めてください。

  • お金の流出を止める:カード明細と通帳を確認し、カード会社に連絡する
  • 写真と思い出を確保する:取り出せるデータは早めに別の場所へ移す
  • SNSは急いで消さない:追悼アカウントという残し方もある
  • 相続に関わる部分は専門家へ:口座や証券の手続きは税理士・司法書士に相談する
  • 手に負えないときは業者に見積もりを取る:抱え込まずに費用感だけ確かめる

デジタル遺品の整理は、事務手続きであると同時に、故人と向き合う時間でもあります。取り出せた写真をご家族で見返す時間が、気持ちの区切りになることもあります。焦らず、ご自身のペースで進めてください。

相談する70代男性のイラスト

メモリーサイト|取り出した思い出を残す場所に

こんな方に家族で思い出を共有したい手を合わせる場所がない親族が離れて暮らしている写真が家ごとに散らばる

故人の写真・動画・メッセージをオンラインにまとめ、離れて暮らすご家族もそれぞれのスマホから故人を偲べます。利用方法と料金は無料で確認できます。

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よくある質問

Q. 故人のスマホのパスコードが分かりません。開ける方法はありますか?

家族が無理に解除する方法はありません。故人が生前にiPhoneの「故人アカウント管理連絡先」を設定していれば、指定された人が申請できます。設定がなかった場合は、デジタル遺品を扱う専門業者に相談するのが現実的です。キャリアショップではロックを解除できません。

Q. 身に覚えのない引き落としが続いています。どう止めればいいですか?

クレジットカードの利用明細と通帳の履歴を確認してください。毎月同じ金額が落ちていれば、サブスクの可能性があります。カード会社に契約者の死亡を伝えると、カードを止められます。ただし、カードを止めても事業者との契約自体は残る場合があります。事業者名が分かるものは、個別に解約を申し入れてください。

Q. 故人のSNSアカウントは削除したほうがいいですか?

急いで決めなくて大丈夫です。Facebookなら追悼アカウントとして残す選択もできます。削除すると、故人あての投稿やメッセージも一緒に失われます。気持ちが落ち着くまでそのままにしておく、という判断をされるご遺族も多くいらっしゃいます。

Q. ネット銀行や証券口座の相続手続きは自分でできますか?

必要書類は金融機関ごとに異なり、相続人の範囲によっても変わります。一般的な流れは各社の公式サイトで確認できます。相続の分け方や税金に関わる部分は判断が難しいため、税理士や司法書士、弁護士といった専門家にご相談ください。

Q. スマホの中の写真だけでも取り出したいのですが。

ロックが解除できれば、クラウドのバックアップから取り出せる場合があります。パソコンと同期していたなら、そちらに残っていることもあります。取り出せた写真は、ご家族が共有できる場所にまとめておくと、あとから見返しやすくなります。

参考情報・外部リンク

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桝谷研士(合同会社Zekk)

この記事を書いた人

桝谷研士(ますたに けんと)

合同会社Zekkで、お墓清掃サブスク「まもりて」とオンライン追悼「メモリーサイト」の運営に携わる。遠方や多忙でお墓に行けないご家族の声を日々うかがう中で、「供養のかたちは一つではない」と実感。実際の清掃作業やご遺族とのやり取りで得た一次情報をもとに、終活・供養・お墓まわりの「本当に役立つ情報」を、できるだけやさしい言葉でお届けしています。


運営:合同会社Zekk(お墓清掃サービス「まもりて」・オンライン追悼「メモリーサイト」運営)

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