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オンライン墓参りと代行の違い|2つの型と選び方

オンライン墓参りには、実在のお墓を生中継する型と、ネット上に追悼ページを作る型の2種類があります。この2つは名前が同じでも中身がまるで違い、お墓が物理的に手入れされるかどうかが分かれ目です。

「オンライン墓参り」と検索して出てくる記事の多くは、この2つを区別せずに並べています。そのため「申し込んだのに、お墓は荒れたままだった」という行き違いが起こります。

この記事では、2つの型の違いをはっきりさせたうえで、お墓参り代行とどう使い分けるかを整理します。書き手は、合同会社Zekkでお墓清掃サービス「まもりて」とオンライン追悼「メモリーサイト」を運営している立場です。両方を提供しているからこそ、向き不向きを率直にお伝えします。

オンライン墓参りとは?2つの型がある

まず全体像です。オンライン墓参りと呼ばれるサービスは、次の2つに分かれます。

やること 実在のお墓の手入れ 向いている方
型①
実在のお墓を生中継
スタッフが現地へ行き、ビデオ通話で中継。掃除やお供えも行う される お墓を維持したい/その場に立ち会いたい方
型②
ネット上の追悼ページ・仮想霊園
Web上に故人のページを作る。VRで仮想の墓所に参拝する形も されない 思い出を残したい/遠方の家族と共有したい方

型①:実在のお墓を生中継する

スタッフが実際にお墓へ行き、ZoomやLINEのビデオ通話でその様子を中継します。お墓参り代行に「立ち会い」が付いたものと考えると分かりやすいでしょう。

長野県飯田市の株式会社しまは、この型のサービスを「親族の皆さまの代わりとなり、オンラインにてリモートお墓参りやお墓の管理をするサービス」と説明しています。同社が公開している当日の流れは、駐車場からオンライン通話を始め、お墓の位置まで画面で案内し、スマートフォンを固定してから除草・清掃、宗派に合わせた参拝、そして通話終了、という順序です。

画面の向こうで草が取られていく様子を見ながら、最後に手を合わせる。物理的な手入れと、参加している感覚の両方が得られるのがこの型です。

型②:ネット上に追悼ページ・仮想霊園を作る

こちらは実在のお墓には誰も行きません。Web上に故人のページを作り、写真やメッセージを残す形式や、貸し出されたVRゴーグルで仮想の墓所に参拝する形式があります。

離れて暮らす家族が同じページを開いて故人を偲べるのが強みです。一方で、実在のお墓は手つかずのまま残ります。ここを取り違えると期待外れになります。

寺院や霊園の側でも導入が進んでいる

お参りを届ける動きは、事業者だけでなく寺院・霊園の側にも広がっています。株式会社ジャムコムのセレモニーモバイル事業部は、寺院・霊園向けの代参業務アプリ「セレモビWorks」を月額1,000円で提供しています。これは寺院や霊園が導入する業務用アプリの月額で、お参りを頼む側が支払う料金ではありません。

同社は、曹洞宗妙円寺が寺族や職員によるお参り動画を届ける代理参拝サービスを始めた事例を公開しています。菩提寺に直接相談してみる価値はあるということです。

スマートフォンで中継するイメージ写真
Photo by Tom Caillarec on Unsplash

お墓参り代行との違い|分かれ目は「お墓に人が行くか」

3つを並べると、違いがはっきりします。

項目 お墓参り代行 オンライン墓参り 型① オンライン墓参り 型②
現地に人が行く 行く 行く 行かない
草取り・墓石の清掃 あり あり なし
その場に立ち会う しない する
報告のされ方 作業後の写真・動画 リアルタイムの映像
日程調整 業者に任せられる 予定を合わせる必要あり いつでも
思い出の記録が残る 作業記録として 作業記録として 残る

整理すると、お墓を保ちたいなら代行か型①、思い出を残したいなら型②です。目的が違うので、どちらが優れているという話ではありません。

見落とされやすいのが日程調整です。型①は中継である以上、こちらの都合と作業日を合わせる必要があります。平日の日中しか作業できない場合、仕事を持つ方には意外とハードルになります。手を合わせる時間を自分で選びたいなら、作業は代行に任せて、写真が届いてから落ち着いて手を合わせるほうが続けやすいこともあります。

50代男性
50代男性
オンライン墓参りを申し込めば、掃除までしてもらえるものだと思っていました。
案内役
案内役
そこが分かれるところなんです。実際にスタッフがお墓へ伺う型なら掃除まで含まれますが、ネット上にページを作る型では、実在のお墓には誰も行きません。申し込む前に「現地に人が行くか」を確かめておくと安心です。

オンライン墓参りの費用|相場が出しにくい理由

結論からお伝えすると、この分野には「これが相場」と言える金額がまだありません

理由は2つあります。ひとつは、型①と型②で提供している中身がまったく違うこと。掃除を含む中継と、Web上のページ作成を、同じ物差しで比べることはできません。

もうひとつは、料金を公開していない事業者が少なくないことです。先に挙げた株式会社しまも、料金については問い合わせを案内しています。金額は見積もりを取って確かめるのが確実です

比較の物差しとしては、お墓参り代行の料金相場を知っておくと判断しやすくなります。単発と月額の違いはお墓参り代行の料金相場はいくら?単発・定期サブスクを徹底比較にまとめました。月額で継続的に見てもらう形については定期お墓掃除サブスクのおすすめは?毎月写真で見守るサービス比較をご覧ください。

オンライン墓参りのメリットと、正直な注意点

両方を運営している立場から、良い面と気をつける点を率直にお伝えします。

メリット

  • 距離が問題にならない:海外にお住まいでも参加できます。
  • 家族が同時に参加できる:離れて暮らすきょうだいや孫世代が、それぞれの画面から同じ時間を共有できます。
  • 体力的な負担がない:夏の墓地で長時間過ごす必要がありません。

注意点

  • 親戚や菩提寺との交流はなくなる:墓前で顔を合わせる機会が失われます。
  • 機器の操作が必要:ツールの導入でつまずくことがあります。高齢のご家族だけで完結させるのは難しい場合があります。
  • 通信環境に左右される:山あいの墓地では、接続が途切れることもあります。
  • 型②では実在のお墓が荒れたまま残る:ここがいちばん大きな落とし穴です。

最後の点は、お墓を持ち続ける以上ついて回ります。長く手を入れていないお墓がどうなるかは、お墓掃除の正しいやり方|道具・手順・やってはいけないNG行為で扱っている汚れの進み方が参考になります。

苔がびっしり付いた石のイメージ写真
Photo by Bernd 📷 Dittrich on Unsplash

どちらを選ぶ?状況別の考え方

迷ったときは、「お墓を残すのか」と「誰と偲びたいのか」の2つで切ると決めやすくなります。

こんな状況なら 向いている選択
お墓は維持したい。通えないだけ お墓参り代行(月額)。状態を定期的に確認できる
命日だけは自分も立ち会いたい オンライン墓参り 型①。日程を合わせられるなら
遠方の家族と思い出を共有したい 型②(追悼ページ)
お墓も保ちたいし、記録も残したい 代行+追悼ページの併用

実際にご相談を受けていると、最後の「両方」が多数派です。お墓は現地で保ちながら、写真やエピソードはWebに残しておく。役割が違うので、片方で足りないところをもう片方が埋めます。

60代女性
60代女性
孫は遠くにいて、お墓の場所も知らないんです。せめて写真だけでも見せてやりたくて。
案内役
案内役
それなら、お墓の手入れは代行に任せて、思い出はWebに残す形が合いそうですね。お孫さんの世代はスマートフォンのほうが自然に見てくださいます。お墓を守ることと、伝えることは、別々に考えて大丈夫です。
お墓にお供えする白い花のイメージ写真
Photo by Stavan Macwan on Unsplash

申し込む前に確認する3つのこと

代行を頼むこと自体にためらいがある方は、墓参り代行は罰当たり?依頼者の本音と5つの注意点もあわせてどうぞ。

国民生活センターには、墓・葬儀サービスに関する相談が寄せられています。同センターのまとめによると、2025年度の相談件数は1,077件で、そのうち1,005件は葬儀サービスに関するものでした(2026年5月31日までのPIO-NET登録分、2026年7月31日時点)。

相談の傾向として挙げられているのが、説明不十分による認識の齟齬、契約後の追加請求、ホームページと実際の内容の相違です。つまり、事前の説明と実際のズレがトラブルの中心にあります。

お墓まわりのサービスを頼むときも、ここを押さえておけば大半は防げます。

▼ 申し込む前に確認する3つのこと

確認1|作業範囲と報告の形式
どこまで掃除するのか。写真は何枚か、動画はあるか。中継なら通信が切れたときの扱いも
確認2|墓地の管理者が代行を認めているか
墓地によっては第三者の作業を制限していることがある。当日になって作業できない事態を防ぐ
確認3|追加料金が発生する条件
草の量、区画の広さ、駐車場の有無で加算されることがある。上限の有無まで聞いておく

とくに確認1が肝心です。オンライン墓参りは、その場では画面で確認できても、後から見返せるとは限りません。作業前後の写真が残る形かどうかを聞いておくと、あとで家族に説明するときにも困りません。

万一トラブルになった場合は、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターに相談できます。

まもりて|現地に人が行き、写真と動画で報告します

まもりては、合同会社Zekkが尼崎・西宮を中心に運営している月額制のお墓清掃サービスです。

区画内の草取り、墓石の水洗いと拭き上げ、花立・線香皿の掃除、お花のお供えと手合わせ、そしてお供え物の持ち帰りまでを行います。そのうえで、作業前後の写真と動画でご報告します

中継ではないので、日程を合わせていただく必要はありません。お手元に届いた写真を見ながら、ご都合のよいときに手を合わせていただけます。ご利用の方からは、きれいになったこと以上に「今どうなっているかが分かる」ことに安心したという声をいただきます。

まもりて|お墓の状態を写真と動画でお届けします

尼崎・西宮を中心に、お墓の清掃とお参りを代行します。何年ぶりでも、いまの状態を確かめるところから始められます。対応エリアと月額料金は無料で確認できます。

対応エリアと月額料金を確認する →

実際に代行を頼むと何が届くのかは、墓参り代行を頼んでみた|作業前後の写真と感想【体験談】でご覧いただけます。業者のタイプ別の選び方は墓参り代行おすすめ5タイプ|料金相場と選び方、尼崎・西宮での対応は尼崎・西宮のお墓参り代行サービス|料金と対応エリアにまとめました。

メモリーサイト|思い出はWebに残しておく

型②にあたるのが、当社のメモリーサイトです。故人の写真や動画、エピソードをまとめたページを作り、離れて暮らすご家族と共有できます。

お墓の手入れとは役割が違います。お墓は現地で保ち、思い出はWebに残す。この2本立てにしておくと、集まれない年でも家族で故人の話ができます。

メモリーサイト|故人の思い出をWebに残す

写真や動画、エピソードをまとめて、離れたご家族と共有できるオンラインの追悼ページです。全国どこからでもご覧いただけます。

メモリーサイトを見てみる →

50代女性
50代女性
両方となると、費用がかさみませんか。
案内役
案内役
ご予算に合わせて片方からで大丈夫ですよ。お墓が荒れているのが気がかりなら手入れから、ご家族に伝えることを優先されるなら記録から。順番を決めていただければ、無理なく始められます。

追悼ページの作り方や実例は、故人のホームページ・追悼サイトの作り方とおすすめサービスメモリアルサイトを作ってみた|故人を偲ぶ使い方と実例・感想で詳しく紹介しています。写真や動画の残し方全般は思い出を形に残す方法6つ|写真・動画・声を長く保存するにまとめました。

自宅で手を合わせるときのろうそくのイメージ写真
Photo by David Tomaseti on Unsplash

オンライン墓参りに関するよくある質問

実際によくいただく質問をまとめました。

オンライン墓参りでも、お墓は掃除してもらえますか?

型によって異なります。スタッフが実際にお墓へ行って中継する型なら、除草や清掃を含むことが一般的です。一方、ネット上に追悼ページを作る型や仮想霊園では、実在のお墓には誰も行かないため掃除は行われません。申し込む前に「現地に人が行くか」を確認してください。

オンライン墓参りの費用はどれくらいですか?

提供している内容が事業者ごとに大きく異なり、料金を公開していないところもあるため、一律の相場を示すことは難しいのが実情です。見積もりを取って比べることをおすすめします。判断の物差しとしては、お墓参り代行の料金相場を先に把握しておくと考えやすくなります。

菩提寺にオンラインでのお参りを頼めますか?

寺院や霊園の側でも導入が進んでいます。寺院・霊園向けの代参業務アプリが提供されており、寺族や職員がお参りの動画を届ける取り組みを始めたお寺の事例も公開されています。まずは菩提寺に相談してみてください。

オンライン墓参りは失礼にあたりませんか?

手を合わせる機会を保つための手段のひとつです。荒れたまま何年も放置されるより、状態が保たれているほうが穏やかだろうと考えています。気になる場合は、ご親族に事前にひと声かけておくと、後の行き違いを防げます。

高齢の親でも使えますか?

機器の操作が必要になるため、ご本人だけで完結させるのは難しい場合があります。通信環境によっては接続が途切れることもあります。ご家族が操作を手伝える体制があるか、あるいは日程調整の要らない代行のほうが向くかを、あわせてご検討ください。

お墓参り代行とオンライン墓参りは併用できますか?

できます。実際にご相談を受けていると、お墓の手入れは代行に任せ、思い出はWeb上に残すという併用が多数派です。目的が違うので、片方で足りないところをもう片方が補う形になります。

まとめ|「現地に人が行くか」で選べば間違えない

最後に、この記事の要点を整理します。

  • オンライン墓参りは2つの型:実在のお墓を生中継する型と、ネット上に追悼ページを作る型
  • 分かれ目は「現地に人が行くか」:型②では実在のお墓は手入れされない
  • 型①は日程を合わせる必要がある:立ち会いたいなら型①、任せたいなら代行
  • 相場はまだ定まっていない:内容が事業者ごとに違うため、見積もりで確かめる
  • トラブルの中心は事前説明とのズレ:作業範囲・報告形式・追加料金の条件を先に確認する
  • 併用が現実的:お墓は現地で保ち、思い出はWebに残す

お墓を守ることと、故人を偲ぶことは、必ずしも同じ場所で行わなくても構いません。ご自身の暮らしに合う形を、無理のない範囲で選んでください。お参りに行けないことを負担に感じている方は、お墓参りに行けない…罪悪感を手放す考え方と対処法もあわせてどうぞ。遠方からの管理方法を広く比べたい方は遠方のお墓を管理する方法5選|代行・サブスク・墓じまいを比較が参考になります。


参考情報・外部リンク

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桝谷研士(合同会社Zekk)

この記事を書いた人

桝谷研士(ますたに けんと)

合同会社Zekkで、お墓清掃サブスク「まもりて」とオンライン追悼「メモリーサイト」の運営に携わる。
遠方や多忙でお墓に行けないご家族の声を日々うかがう中で、「供養のかたちは一つではない」と実感。
実際の清掃作業やご遺族とのやり取りで得た一次情報をもとに、
終活・供養・お墓まわりの「本当に役立つ情報」を、できるだけやさしい言葉でお届けしています。

運営:合同会社Zekk(お墓清掃サービス「まもりて」・オンライン追悼「メモリーサイト」運営)

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