お墓参りの頻度に、宗教的な決まりはありません。「年に何回行かないといけない」という基準は、どの宗派にも定められていません。
とはいえ、まったく目安がないと落ち着かないものです。実際にはどのくらいの間隔で行っている方が多いのか、調査の数字がありますので、そこから見ていきます。
この記事では、頻度の実態、行く時期の考え方、宗派による違い、そして通えない期間が続くときの備え方までをまとめます。書き手は、合同会社Zekkでお墓清掃サービス「まもりて」を運営している立場です。
お墓参りの頻度は「年2〜3回」が最も多い
まず実態から確認します。全国石製品協同組合(全石協)が全国の24〜79歳の男女500名に行ったアンケートでは、次の結果が出ています。
| お墓参りの頻度 | 割合 |
|---|---|
| 年に2〜3回程度 | 22.8% |
| 年に1回程度 | 17.2% |
| 数年に1回程度 | 7.4% |
| (月1回以上〜数年に1回の合計=お墓参りをしている人) | 57.8% |
出典:葬研「全国500人に『お墓参り』に関するアンケート調査~全石協~」(2026年8月時点)。業界団体による調査で、公的統計ではありません。
この数字から読み取れることが2つあります。
ひとつは、ボリュームゾーンが「年1〜3回」だという点です。毎月通っている方は、多数派ではありません。
もうひとつは、お墓参りをしている人が6割弱にとどまるという点です。裏を返せば、4割強の方は行けていないことになります。
「自分だけ足が遠のいている」と感じている方は少なくありません。けれど数字を見る限り、それはごく普通のことです。

50代女性

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お墓参りに行く代表的なタイミング
頻度に決まりはありませんが、慣習として区切りになる時期はあります。年間の流れを整理します。
| 時期 | 時期の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| お盆 | 一般に8月13〜16日 (地域により7月) |
最も行かれている時期。混雑しやすい |
| 春・秋のお彼岸 | 春分の日・秋分の日を中日とした計7日間 | 年2回。気候が穏やかで掃除がしやすい |
| 祥月命日 | 故人が亡くなった月日(年1回) | 家族で日を合わせやすい |
| 月命日 | 毎月の同じ日 | 近くにお住まいの方向け |
| 年末年始 | 12月末〜1月 | 帰省に合わせやすい |
| 年忌法要 | 一周忌・三回忌など | 親族が集まる機会になる |
同じ調査では、実際に行く時期としてお盆が68.5%、お彼岸が47.8%と、この2つが突出しています。年末年始は24.2%、命日・月命日は21.8%でした。
なお、春分の日と秋分の日は年によって日付が変わります。国立天文台が前年の2月に翌年の暦要項として発表しています。

お盆やお彼岸に行けないときの考え方は、お盆・お彼岸にお墓参りに行けないときの対処法にまとめています。
宗派によって「回数」の意味は変わる
ここは見落とされやすい点です。お墓参りの意味づけは、宗派によって前提が違います。
たとえば浄土真宗本願寺派は、公式サイトで次のように説明しています。『盂蘭盆経』が説く「亡き人の幸福のために善いことを行う追善供養」は、浄土真宗の教えとは合致しない、と。
そのうえで、お盆を「お浄土を思い、阿弥陀さまの教えを通して受けとめることによって、お浄土の懐かしい方々をしのびつつ阿弥陀さまのお救いを聞きよろこぶ大切なご縁」と位置づけています。
「故人は実は期間限定ではなく、いつもお浄土から還ってきてくださっています」とも記されています。
出典:浄土真宗本願寺派「お盆の紹介」(2026年8月時点)
つまり、「何回行けば供養になるか」という数え方そのものが、すべての宗派に共通する発想ではありません。回数で足りているかを測ろうとすると、かえって苦しくなります。

宗派ごとの作法には幅があり、同じ宗派でも地域や寺院で考え方が異なります。ご自身の家の作法が気になるときは、菩提寺にお尋ねください。
「行ってはいけない日」はある?
結論から言えば、お墓参りを避けるべき日という宗教的な決まりはないとされています。
よく話題になるのが友引や仏滅です。これらは六曜と呼ばれる暦注で、仏教とは関係がないと一般に整理されています。そのため、六曜を理由にお墓参りを避ける宗教的な根拠はありません。
ただし、地域や家によっては慣習として気にする例があります。ご親族と一緒に行く場合は、その場の慣習を尊重するほうが角が立ちません。
時間帯については、宗教上の決まりよりも実務的な事情で考えてください。
- 夕暮れ以降は足元が見えにくく、段差でつまずきやすい
- 霊園によっては門扉が閉まる時間が決まっている
- 夏場は午前中の早い時間のほうが体への負担が少ない
安全に、無理なく行ける時間を選ぶのがいちばんです。
間隔が空いたお墓に起きること
頻度そのものに正解はありませんが、間隔が空くとお墓の状態は確実に変わります。
まもりての作業でうかがうお墓を見ていると、年に1〜2回のお参りが続いているお墓は、墓石の目地に苔が根付きやすい傾向があります。とくに日当たりの悪い区画や、木の下にある区画で目立ちます。
久しぶりのお参りほど、初回の手入れに時間がかかります。花立てに溜まった水、線香皿の灰、区画の外まで伸びた草。ひとつずつ片づけていくと、想定より長くかかることが少なくありません。

そこで、間隔が空いたあとのお参りでは、掃除のついでに次の3点を見ておくことをおすすめします。
掃除では直りません。気づいたら石材店に相談する箇所です
水が溜まったままだと汚れやにおいのもとになります
通路側まで伸びていると、隣の区画にも影響が出ます
掃除の具体的な手順や道具は、お墓掃除の正しいやり方|道具・手順・やってはいけないNG行為にまとめました。長く放置した場合のリスクはお墓を放置するとどうなる?無縁墓・撤去のリスクと対策で整理しています。
間隔が空いたお墓に付きやすい汚れの正体と落とし方は、墓石の汚れの落とし方4つ|コケ・水垢・黒ずみの原因で原因別に解説しています。

70代男性

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通えない期間が続くときの備え
転勤、介護、体調。通えない時期は、多くの方に訪れます。そのときに取れる手立てを整理します。
- 近くの親族に頼む:可能ならいちばん自然な形です。お礼の形は先に決めておくと続きます。
- お参りの回数を減らして質を上げる:年1回に絞り、そのぶん時間をかけて手入れをする考え方です。
- 清掃や代行を頼む:間の時期の草取りや清掃だけを任せ、ご自身は行ける時に行く形です。
- 行けない日の偲び方を持っておく:写真や記録を手元に置き、命日に手を合わせる方法です。
3つ目について、費用の目安はお墓参り代行の料金相場はいくら?単発・定期サブスクを徹底比較に、サービスのタイプ別の違いは墓参り代行おすすめ5タイプ|料金相場と選び方にまとめています。遠方にお墓がある場合の全体像は遠方のお墓を管理する方法5選が参考になります。
通える回数が減っている時期だけでも、代わりに清掃してお参りします。作業の前後を写真でご報告するので、離れていてもお墓の状態を確かめられます。
まもりて(合同会社Zekk)/西宮・尼崎を中心にお墓の清掃とお参りを代行しています
4つ目については、お墓に行くこととは別の供養の形があります。故人の写真や思い出をオンラインに残しておくと、命日やふとした折に、家族それぞれの場所で手を合わせられます。

遠方のご家族とも共有できる、オンラインの追悼ページをつくれます。お墓に行けない日でも、思い出をたどる場所になります。
メモリーサイト(合同会社Zekk)/故人の思い出をWebに残せるオンライン追悼サービス
行けないことへの気持ちの整理については、お墓参りに行けない…罪悪感を手放す考え方と対処法で詳しく書きました。お墓に行く以外の偲び方は故人を偲ぶ方法7つ|命日・法要・遠方でもできる供養にまとめています。
お墓参りの頻度に関するよくある質問
お墓参りは年に何回行けばよいですか?
決まりはありません。全石協の調査では「年に2〜3回程度」が22.8%で最も多く、「年に1回程度」が17.2%でした。年1〜3回が実態としてのボリュームゾーンです。
毎月お墓参りに行かないといけませんか?
その必要はありません。同じ調査で、お墓参りをしている人自体が57.8%です。毎月通う方は多数派ではありません。ご自身が続けられる間隔で構いません。
お墓参りに行ってはいけない日はありますか?
宗教的な決まりはないとされています。友引や仏滅は六曜という暦注で、仏教とは関係がないと一般に整理されています。ただし地域や家の慣習として気にする例はあります。
宗派によってお墓参りの回数は変わりますか?
回数の定めは宗派にもありませんが、意味づけは異なります。浄土真宗本願寺派は、追善供養は教えと合致しないとしたうえで、お盆を阿弥陀さまの救いを聞く縁と位置づけています。詳しくは菩提寺にお尋ねください。
何年も行けていません。お墓はどうなりますか?
手入れが途切れると、墓石の目地に苔が根付いたり、区画の外まで草が伸びたりします。管理料の滞納が長く続いた場合は、無縁墓として扱われることもあります。
お墓参りに行けない期間はどうすればよいですか?
親族に頼む、清掃や代行を利用する、行ける時に時間をかけて手入れをする、といった方法があります。お墓に行く以外に、写真や記録を通じて偲ぶ形を持っておくのもひとつです。
まとめ|回数より、続けられる形を
この記事の要点を整理します。
- 頻度に決まりはない:宗教的に「年何回」という基準は定められていない
- 実態は年1〜3回が中心:年2〜3回が22.8%で最多。お墓参りをしている人は57.8%
- 行く時期はお盆とお彼岸に集中:お盆68.5%、お彼岸47.8%
- 宗派で意味づけが違う:回数で測る発想は、すべての宗派に共通ではない
- 間隔が空くと手入れの負担は増える:一度あたりの作業量が積み上がる
お墓参りは、回数を競うものではありません。大切なのは、無理なく続けられる形を見つけることです。
年に一度しか行けなくても、そのお参りに気持ちが向いているなら、それで十分に供養になっています。通えない時期があるなら、その間を人に任せる手立ても、別の偲び方もあります。
お墓のことを終活の一環として考えたい方は、一周忌・三回忌に遠方で行けないときの供養方法やオンライン墓参りと代行の違い|2つの型と選び方もあわせてご覧ください。
参考情報・外部リンク
- 葬研:全国500人に「お墓参り」に関するアンケート調査~全石協~(頻度・時期のデータ)
- 浄土真宗本願寺派:お盆の紹介(追善供養の考え方)
- 国立天文台:暦要項(春分日・秋分日の発表)
- e-Gov法令検索:墓地、埋葬等に関する法律
※本記事で引用した調査は業界団体によるもので、公的統計ではありません。宗派の考え方は一例であり、地域や寺院によって異なります。お墓の管理や承継に関する個別のご事情は、墓地の管理者や行政書士などの専門家にご相談ください。
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