エンディングノートは、「紙のノート」「スマホアプリ」「デジタル(文書・クラウド保存)」の3タイプから選びます。手軽にすぐ始めたいなら紙、こまめに更新したいならアプリ、情報量が多く写真も残したいならデジタルが向いています。大切なのは、完璧を目指さず、書けるところから始めること。そして、遺族が見つけられる在りかを決めておくことです。終活を始めると、多くの方がまず手に取るのがエンディングノートです。ただ、種類が多く「どれを選べばいいの?」「紙とデジタル、どちらがいいの?」と迷ってしまう方も少なくありません。
この記事では、合同会社Zekkでオンライン追悼「メモリーサイト」を運営し、終活や思い出の残し方に向き合う中で得た知見もふまえ、エンディングノートのタイプを比較し、自分に合う選び方と、続けるコツをお伝えします。まずは3タイプの違いから見ていきましょう。デジタル終活の全体像はデジタル終活とは?やり方とおすすめサービスもあわせてご覧ください。
終活の中でもお墓をどうするか決めかねている方は、終活でお墓をどうする?元気なうちに決めておくべきことをあわせてご覧ください。
エンディングノートのタイプを比較|紙・アプリ・デジタル
エンディングノートは、大きく3タイプに分かれます。費用や使い勝手、向いている人を一覧にしました。自分に近いものを探してみてください。
| タイプ | 費用 | メリット | デメリット | 向く人 |
|---|---|---|---|---|
| 紙のノート | 0〜2,000円 | 手軽・すぐ書ける・PC不要 | 保管場所・紛失・書き直しが手間 | 手書き派・デジタルが苦手な方 |
| スマホアプリ | 無料〜 | いつでも入力・更新が楽・見返しやすい | サービス終了の可能性・遺族が開けない恐れ | スマホに慣れた方 |
| デジタル (文書・クラウド) |
無料〜 | 検索・共有しやすい・写真や動画も残せる | パスワード管理・遺族への共有設計が必要 | PCに慣れた方・情報量が多い方 |
どのタイプにも、良い面と注意点があります。紙は始めやすい反面、更新や保管に手間がかかります。デジタルは更新や共有が楽な一方、「遺族がたどり着けるか」という設計が欠かせません。1つに絞らず、紙で全体像を書き、デジタルで詳細や写真を補う、という使い分けも現実的です。

紙のエンディングノートのメリット・デメリット
もっとも手軽で、いちばん多く使われているのが紙のエンディングノートです。書店や100円ショップでも手に入り、思い立ったその日から書き始められます。
メリットは、何といっても始めやすさです。パソコンやスマホの操作がいらず、手書きの温かみも残せます。項目があらかじめ印刷された市販のノートを使えば、何を書けばいいか迷いません。デメリットは、保管と更新の手間です。書き直しが面倒で、内容が古いまま放置されがちです。また、大切に隠しすぎて「家族が見つけられなかった」という失敗も起こります。在りかは、信頼できる家族に伝えておきましょう。

60代女性

案内役
スマホアプリ・デジタルのメリット・デメリット
スマホやパソコンに慣れているなら、デジタルのエンディングノートも便利です。専用アプリや、文書ファイル・クラウドサービスを使う方法があります。
メリットは、更新のしやすさと情報量です。思いついたときにすぐ書き足せ、写真や動画も一緒に残せます。検索できるので、あとから見返すのも簡単です。デメリットは、「遺族がたどり着けるか」という点です。アプリはサービスが終了する可能性があり、パスワードが分からなければ遺族は中身を見られません。デジタルで残すなら、保存場所とパスワードの在りかを、紙などの別の手段で家族に伝えておく設計が欠かせません。スマホやアカウントの死後の扱いはスマホ・SNSアカウントの死後の手続き|デジタル終活の基本もあわせてご覧ください。

エンディングノートに書いておきたいこと
どのタイプを選んでも、書く内容は共通しています。あれもこれもと欲張らず、大切な項目から書き始めましょう。とくに書いておきたいのは次の6項目です。
- 自分の基本情報と、連絡してほしい人のリスト
- 資産・預貯金・保険・年金の情報
- デジタル遺品(ID・パスワードの在りか、サブスクの契約)
- 医療・介護の希望(延命治療などの考え方)
- お墓・葬儀の希望
- 家族へのメッセージ・感謝の言葉
すべてを一度に書く必要はありません。書きやすい項目から埋めていけば十分です。とくに、資産やデジタル遺品の情報は、遺族がもっとも困りやすい部分なので、優先して整理しておくと安心です。デジタル遺品の整理は終活サービスを比較|エンディングノート・生前整理・記録サービスの選び方や、終活全体の進め方は終活でやることリスト|何から始める?優先順位と進め方も参考になります。
【重要】エンディングノートに法的効力はない
ひとつ、知っておいてほしい大切なことがあります。エンディングノートには、法的な効力がありません。財産の分け方などを書いても、それだけでは遺言としての効力を持たないのです。
相続や財産の分配について、法的にたしかな形で残したい場合は、正式な遺言書を作成する必要があります。遺言書は要件が細かく定められているため、相続・遺言の内容は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。エンディングノートは「家族への思いや希望を伝えるもの」、遺言書は「法的に効力を持たせるもの」と、役割を分けて考えると分かりやすくなります。
自分に合うエンディングノートの選び方
タイプと書く内容が分かったら、自分に合うものを選びましょう。次の3ステップで考えると、迷いが小さくなります。
手書きが好き・すぐ始めたい → 紙のノート
スマホやPCが得意 → STEP2へ
こまめに更新・手軽に始めたい → スマホアプリ
情報量が多い・写真も残したい → デジタル(文書・クラウド)
遺族が見つけられる在りかを決める/デジタルはパスワードの共有方法も用意する
大切なのは、「続けられること」と「遺族が見つけられること」です。高機能なものより、自分が無理なく書き続けられるものを選んでください。そして、どのタイプでも、在りかとパスワードの共有だけは忘れずに用意しておきましょう。

70代男性

案内役
思い出やメッセージは、デジタルで豊かに残せる
エンディングノートは、情報や希望を伝えるのに向いています。一方で、故人の写真や動画、家族への語りかけといった「思い出」は、ノートだけでは残しきれません。
合同会社Zekkが運営するメモリーサイトは、故人の写真・動画・思い出のメッセージをオンラインで保存・共有できる追悼サービスです。エンディングノートで情報を整理しながら、写真やメッセージはメモリーサイトに残しておくと、家族はいつでも、離れていても、故人を偲べます。実際の使い方はメモリアルサイトを作ってみた|故人を偲ぶ使い方と実例で紹介しています。

50代男性

案内役
故人の写真・動画・メッセージをオンラインで保存・共有できる追悼サービスです。エンディングノートと組み合わせて、情報だけでなく思い出も家族に残せます。利用方法と料金は無料で確認できます。

よくある質問
Q. エンディングノートは紙とデジタル、どちらがおすすめですか?
手軽にすぐ始めたい、手書きが好きなら紙が向いています。こまめに更新したい、写真も一緒に残したいならデジタルが便利です。どちらか一方に絞る必要はなく、紙で全体像を書き、写真やメッセージはデジタルで補う使い分けもおすすめです。大切なのは、自分が無理なく続けられる方法を選ぶことです。
Q. エンディングノートには何を書けばよいですか?
基本情報と連絡先リスト、資産や保険の情報、デジタル遺品(ID・パスワードの在りか)、医療・介護の希望、お墓・葬儀の希望、家族へのメッセージが主な項目です。すべてを一度に書く必要はなく、書きやすいところから始めれば十分です。とくに資産とデジタル遺品は、遺族が困りやすいので優先しましょう。
Q. エンディングノートに書けば、遺言書は必要ありませんか?
エンディングノートには法的な効力がないため、遺言書の代わりにはなりません。財産の分け方などを法的にたしかな形で残したい場合は、正式な遺言書が必要です。相続・遺言の内容は要件が細かいため、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。ノートは思いを伝えるもの、遺言書は法的効力を持たせるものと考えましょう。
Q. デジタルのエンディングノートは、遺族がちゃんと見られますか?
パスワードや保存場所が分からないと、遺族は中身を見られません。デジタルで残す場合は、保存先とパスワードの在りかを、紙などの別の手段で家族に伝えておくことが欠かせません。アプリはサービス終了の可能性もあるため、大切な情報は複数の方法でバックアップしておくと安心です。
Q. エンディングノートはいつから書き始めればよいですか?
思い立ったときが始めどきです。年齢に決まりはなく、元気なうちに書き始めるほど、内容を落ち着いて整理できます。一度で完成させようとせず、少しずつ書き足し、定期的に見直すのがおすすめです。書き始めること自体が、家族への大きな備えになります。
まとめ|自分に合うエンディングノートで、無理なく備える
エンディングノートは、タイプの違いを知って、続けられるものを選ぶことが大切です。最後に要点を整理します。
- タイプは3つ:紙/スマホアプリ/デジタル(文書・クラウド)
- 紙は始めやすく、デジタルは更新・共有が楽:使い分けもおすすめ
- 書く項目は6つ:資産とデジタル遺品を優先的に
- 法的効力はない:相続・遺言は専門家に相談し、遺言書を別に用意
- 在りかとパスワードの共有:遺族が見つけられる備えを
完璧を目指す必要はありません。自分に合う一冊、あるいは一つのアプリから、書けるところを少しずつ。その一歩が、家族への何よりの備えになります。
参考情報・外部リンク
- 法務省:自筆証書遺言書保管制度(遺言書に関する公的制度)
- 消費者庁(終活・デジタルサービス利用時の注意)
- 国民生活センター(終活サービスの契約トラブル相談先)
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